1年通して、全く見なかったJリーグ。
とはいえ、3チームが最終戦までもつれ込むという、痺れる展開の結末は、ヴィッセル神戸の2冠&連覇という、華やかな終わりを迎え、MVPは武藤嘉紀選手が獲得した。
大迫選手とは、また一味違う「嫌なタイプ」だと、個人的に思っている。
大迫選手は、今年も驚異だったと思うし、Jリーグでは頭ひとつ抜けているような、そんな印象だ。
一方で、武藤選手は90分通して、ずっと「しつこい」
ディフェンスにしても、攻撃にしても、なんかずっとついてくる。ずっといる。
そして、その強い心に、ボールが引き寄せられてくる。
結果、数々のゴールでチームを救い、チームの優勝を引き寄せた。
そんな印象だ。
もちろん、山口選手や酒井選手をはじめ、代表や海外を経験した「プロ中のプロ集団」なわけだが、その中でも、今年は武藤選手が特に素晴らしかったのではないかと、個人的には思っている。
親会社である楽天は、プラチナバンドを獲得したとはいえど、モバイル事業の苦戦が続いているが、そんな中でも明るいニュースが入って、三木谷社長も喜んでいるだろう。
私も、これを機に楽天モバイルと楽天ひかりを契約したいところだが、それは1軒屋に引っ越してからにしたいと思う。
今後のヴィッセルにおいて懸念があるとすれば、チームの主軸がほぼ30代であることだと思う。
年齢の話は失礼なのかもしれないが、生きの良い10代、20代前半くらいの選手が、早いうちから、このレベルの中で揉まれれば、今後のヴィッセルは強いのではないかと思う。
きっと、来年も変わらず強いのだと思うが、「根っこから強い組織」かどうかは、親会社も含め不透明だ。
2位のサンフレッチェ広島については、大橋選手が移籍した以外の情報を持っていない。
が、何がすごいって、「ずっと強い」
「ずっと強い」の象徴は鹿島アントラーズだと思っていたが、広島も「ずっと強い」というイメージだ。
森保監督のお膝元であっても、代表選手は多くない。
それでも、常に結果を残し続けているのは、組織として盤石な基盤があるからなのだと、勝手に想像している。
ユースも強いイメージがあるので、やはり「サンフレッチェ」が強いのだと思う。
そして、3位は町田ゼルビア。
まさにゼルビア旋風を巻き起こした1年だったが、これほど毛嫌いされているクラブも珍しい。
本来、J2から這い上がってきて、首位に立てば「賞賛」されるものだと思っていたが、ヒールレスラーのような立ち位置になってしまったし、正直、自分も町田の優勝は、なんかイマイチだなぁと思っていた。
それは町田が嫌いだから?
いや、そんなことはない。
なぜなら、町田は「地元」で、駅前にはお世話になった。(駅前以外は特に何もないから)
ヨドバシ、ときわスポーツ、B &D(今はないけど)、思い出の詰まった街なのに、なぜこんな応援できなかったのか。
一つは「嫉妬」
単純に、J2から上がってきて生意気だ。
個人的に、この感情はなかったが、Jリーグファンはそう感じたのではないかと思う。
二つ目。
ここが重要で、「プレーが荒い」という印象が強く根付いてしまった。
「勝利主義」なんて言葉も聞こえたが、勝つためには「何でもする」という悪いイメージがついてしまった。
実際のファール数などは知らないけども、クリーンなイメージがない。
加えて、ロングスローを多用したかと思えば、散々ボールを拭いて、やっぱり投げない。
PKでボールに水をかける。
などなど。
誤解を招くような事が、順位に対する嫉妬と共に増幅したように思う。
しかし、結果は堂々の3位。
これは賞賛すべきだと思う。
プロ選手としての経験がない黒田剛監督が、J1で通じるのか?という疑念をキレイに払拭させてみせた。
しかし、来年は今年のようにはいかないのではないかと思っている。
クラブとしての魅力が低ければ、選手の放出は免れない。
相馬選手や中山選手、ヘンリー選手といった、「代表クラス」の選手をクラブに止めておくことができるだとうか。
そして、来年はあるであろう「町田対策」を攻略できるのか。
今後のゼルビアと黒田監督の手腕も楽しみだ。
はぁ。
楽しいな。
1人で黙々とサッカーの話できるの楽しいな。
その他のチームに関して。
4位 ガンバ大阪
強かったけど、天皇杯決勝での宇佐美選手の欠場は痛すぎた。
若手の台頭が目覚ましいので、ベテラン陣とも合わさり、来季も好順位にいそうだが、大事な試合で宇佐美選手がいるかどうかが鍵を握りそうだ。
彼なしに、シャーレは上がらない。
5位 鹿島アントラーズ
鈴木優磨が怖すぎる。
6位 東京ヴェルディ
町田の陰に隠れてしまったが、好成績!
名門復活へ。来年が正念場。
7位 FC東京
ディエゴ・オリヴェイラ選手が引退。
いやー。上手かった。
まだまだ出来そうだったけど、残念。
8位 川崎フロンターレ
鬼木監督が退任。
川崎の黄金期を作った功績は計り知れない。
黄金期から世代交代へ。NEXTフロンターレに期待。
9位 横浜マリノス
詳しい事情は分からないが、監督との相性だったのか、チームが崩れてしまったようだ。
選手層は厚いだけに、この順位は不本意だろう。
メンバーがずっと変わっていない印象だが、何が起爆剤になるのか楽しみだ。
10位 セレッソ大阪
香川選手の凱旋が頼もしかったが、結果は10位。
香川、清武、乾、柿谷。
この図を見たかったファンも多いのではなかろうか。
しかし、夢を見てはいられない。
11位 名古屋グランパス
正直、通年浮かんだのは、長谷川健太監督の、太い眉毛くらいだった。
ランゲラック選手が退団とのことで、後釜探しは急務。
ユンカー、パトリック、永井、山岸といった、フォワード陣が、名前よりも印象が薄いというのが、個人的な印象。
12位 アビスパ福岡
昨年は最優秀監督賞に選出されるなど、輝かしい成績だったが、今年は厳しいというか、語弊を覚悟で言うなら、「らしい」成績だったのかもしれない。
スター選手がいない地方チームが、いかに上位に食い込んでいくのかは、Jリーグの見どころもとも言える。
監督の退任が発表されたが、チームがどっちに転ぶのだろうか。
13位 浦和レッズ
順位を聞いただけでサポーターの大きなブーイングが聞こえてくる。
しかし、酒井選手、伊藤選手と、1年で2人もキャプテンが移籍するというイレギュラーは不運だった上に、ショルツ選手もいなくなったが、それでも、この順位に沈むチームではないだろう。
不安定さも浦和レッズの魅力なのかもしれないが、「アジア王者」の、強い浦和が見たい。
14位 京都サンガ
サンガファンの方には申し訳ないが、正直、本当に情報がない。
人件費のかかったチームではないものの、チョウ監督のパワーのもと、この順位をキープできているようにも思う。
15位 湘南ベルマーレ
神奈川出身の私としては、頑張ってもらいたいチームの一つではあるが、常に降格争いに巻き込まれているイメージだ。
山口体制が長く続いているが、そろそろテコ入れが必要なのではないかと、勝手に感じている。
選手層を見る限りは、中位くらいにいてもおかしくはないはず。
16位 アルビレックス新潟
洗練されたパスサッカーというのが、ざっくりしたイメージ。
そのスタイルで、昇格後もJ1をキープできていたが、今年は少し難しくなってしまったようだ。
鳥栖から移籍した小野選手がいますが、皮肉なことに、鳥栖の降格が決定してしまった。
だって、鳥栖の柱となっていたのだから。
そりゃ厳しいわな…
17位 柏レイソル
メンバーを見る限りは、降格争いをするチームではないように感じるが、このくらいの順位に沈むイメージもある。
なかなか監督が定まらないのが問題なのかと思った矢先、来季はリカルド・ロドリゲスだと!!
これは采配が楽しみだ。
ところで、細谷選手は海外移籍はしないのだろうか?
柏ファンには申し訳ないが、日本代表の枠に入るには、海外移籍は必須だろう。
18位 ジュビロ岩田
ここからは降格が決定してしまったチームだが、個人的にはJ1で静岡ダービーが見たかった。
ジャーメイン選手がブレイクしたり、ゴールマウスは川島選手など、要所は抑えているような印象だったが、結果は降格。
かつての黄金時代の印象が強すぎるが、あの輝きを取り戻すには、一体何が必要なのだろうか。
19位 コンサドーレ札幌
優秀な監督も、長く続けば綻びも出るのかもしれない。
川崎、湘南、札幌と、長期体制のチームが下位に沈んでいる。
一方、町田がエネルギッシュなのは、黒田監督の情熱がそうさせているのかもしれない。
いずれにせよ、コンサドーレは一度仕切り直して、1年でJ1を復帰する必要があると思う。
主力の流出も避けられないのかもしれない。
20位 サガン鳥栖
最下位に沈んでしまった鳥栖。
経営難から脱し、債務超過の解消に向かっていた矢先の降格。
一難さって、また一難。
選手を見えると、清武選手や外国人選手など、小野選手が抜けたとはいえ、他チームに引けを取らないメンツだと感じるが、失点68と、一番失点している。
GKには朴一圭選手がいて、好セーブを連発しているイメージだが、シンプルに守備陣に問題があった。
と、言わざるを得ないのかもしれない。
主力の放出次第では、来季のJ1復帰も難しいのかもしれない。
【総括】
結果的には、ヴィッセルの黄金期を告げる形となった。
ベテラン勢が多いとはいえ、ここ1、2年をこのメンバーが継続するとなると、しばらくヴィッセル時代が続くかもしれない。
加えて、生きの良い若手や、さらに代表クラスが集まるとなると、アジアチャンピオンや連覇なんてのも夢ではないかもしれない。
いずれにせよ、今後の楽天・三木谷社長はじめ、ヴィッセル神戸の動向には注目だ。
あとは、来季の町田がどうなるのか。
代表メンバーを留めておけるのか、そして、今年同様に優勝戦線に食い込むことができるのか。
3年目となる黒田監督の手腕と共に、こちらも注目したい。
マリノスやフロンターレといった、強豪も今年は身を潜めてしまった。
世代がひと段落し、チームの再編成が必要なのかもしれない。
また、資金力の乏しい地方クラブが、優勝争いに参加するには、一体何が必要なのだろう。
湘南、京都、新潟、福岡といった、中堅クラブが「強豪」となるには、何が必要なのだろう。
結果的には「金」ということだが、金だけかけても、常勝軍団を作れないのは、ヴィッセルが証明している。
アントラーズやサンフレッチェのように、根っこの根っこから強いチームを作るには、時間と手間暇がかかりそうだ。
余談だが、これから更なる少子化を迎える日本において、Jリーグは維持されるのだろうか。
サッカー人口も、ファンの数も減る。
チーム数は必然的に減るだろうし、収入も減っていくのだろう。
Jリーグに関わらず、日本全体が停滞し、国力が低下していては、スポーツも盛り上がらない。
最後は国内リーグはなくなり、プロになりたい人は海外に行くようになってしまうのだろうか。
大袈裟かもしれないが、容易に想像できる部分でもある。
「Jリーグがあった時代は」なんて、自分が歳をとっていっているかもしれない。
スポーツは素晴らしい。
なくなる事はないとしても、規模が縮小し、盛り上がりに欠けるスポーツなんて見たくはない。
そう考えると、1年1年のJリーグを楽しんでいくのが、日本サッカーの見方かもしれない。
まだ熱いうちに、「生」の熱気を感じたいものだ。
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